【20世紀】に活躍した好きな漫画家ランキング

毎日新聞の「20世紀に活躍した好きなマンガ家ランキング」です。
毎日新聞が最大3人までのマンガ家の名前を自由に記入してもらう方式で調べた。名前を挙げたのは全体の回答者3232人のうち1215人で、挙名率は38%だった。挙名者の内訳は男性が51%、女性49%。年代別では、10代後半は10%▽20代21%▽30代19%▽40代22%▽50代16%▽60代8%▽70代以上3%だった。(小数1位を四捨五入したので、合計が100%にならない)
名前が挙がった作家は417人で、延べ人数にすると2401人になる。日本に居住した人で、日本語で表現された作品を発表している人なら国籍は問わなかった。


トップ1011~20位21~30位31~40位41~50位

1~10位

順位 名前 説明
手塚治虫
(てづか・おさむ)
1928年~1989年

<代表作>
「鉄腕アトム」
「リボンの騎士」
「火の鳥」
「ジャングル大帝」
「ブラック・ジャック」
ほか

<得票数>
388票
(男211、女177)
日本の現代漫画の草分けとして、いまなお若手作家らに多大な影響を与え続けた。

手塚さんが漫画を始めたのは故郷大阪での中学生時代から。その後、旧制高校時代に学徒動員で工場生活を送りながらも漫画を描き続け、終戦直後の「マアちゃんの日記帳」でデビューした。

手塚さんが他の漫画家と違っていたのは初めて漫画にストーリー性を導入、確立したこと。昭和二十二年の「新宝島」では、それまでの単純な児童漫画の構成を打ち破り、画期的なコマ割り、映画的な手法など新機軸をふんだんにとり入れた作風で本格的なドラマ漫画を成立させた。

この時代の小、中学生が手塚漫画に触れ、現在の多くのベテラン漫画家になっている。石ノ森章太郎さん、赤塚不二夫さん、藤子不二雄さんらも「トキワ荘」を舞台に手塚さんを目指して漫画家に育っていった。この現代漫画の創草期の様子は昨年、NHKの連続ドラマ「まんが道」で描かれもした。その後「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」はテレビ・アニメーション化され、さらに「リボンの騎士」などによる少女漫画への貢献でも、手塚さんは各時代、各時代で多くのファンと漫画家の卵をはぐくみ続けてきた。

数多くの傑作を世に送った手塚さんのライフワークは、二十九年から描き続けていた大作「火の鳥」。古代からはるか悠久の未来にまでつながるこの連作には人類の死滅と再生が繰り返し描かれ、人間愛とともに深刻なニヒリズムの影も流れていた。安易なヒューマニズムを排した手塚流の社会眼が貫かれたこの作風は、社会漫画でもある近作「グリンゴ」や、悪魔と現代社会との絡みを描いていた「ネオ・ファウスト」にも色濃く流れ、子供だけでなく多くの大人の読者にも感銘を与えていた。
長谷川町子
(はせがわ・まちこ)
1920年~1992年

<代表作>
「サザエさん」
「いじわるばあさん」

<得票数>
178票
(男60、女118)
日本初の女性プロ漫画家として、家庭漫画のジャンルを確立した。「サザエさん」は戦後の混乱期から高度経済成長期にかけての日本の一般家庭の生活を、明るいユーモアと鋭い観察眼で描き出し、新聞連載を通じて国民的な人気を博した。

日常の些細な出来事を題材にしながらも、時代ごとの世相や社会問題を巧みに風刺に取り入れる作風は、子供から大人まで幅広い層に親しまれた。アニメーション化されて以降は、日本の日曜日の夕方の顔として、その世界観は現代に至るまで愛され続けている。
藤子不二雄
(ふじこ・ふじお)
藤本弘:1933年~1996年
安孫子素雄:1934年~2022年

<代表作>
「ドラえもん」
「オバケのQ太郎」

<得票数>
110票
(男46、女64)
藤本弘(藤子・F・不二雄)と安孫子素雄(藤子不二雄Ⓐ)による漫画家ユニット。手塚治虫に憧れて上京し、トキワ荘での生活を経て、児童漫画の金字塔を数多く打ち立てた。

特に「ドラえもん」は、子供たちの夢や願望を「ひみつ道具」という形で具現化し、世界中の子供たちに愛される作品となった。彼らが提唱した「すこし・ふしぎ(SF)」という概念は、日常の中に潜む非日常を優しく、時に教訓を含んで描き出し、日本の児童文化に計り知れない影響を与えた。
鳥山明
(とりやま・あきら)
1955年~2024年

<代表作>
「Dr.スランプ」
「ドラゴンボール」

<得票数>
54票
(男41、女13)
圧倒的な画力とデザインセンスで、少年漫画の歴史を塗り替えた。「Dr.スランプ」ではナンセンスギャグとポップな絵柄で爆発的なブームを巻き起こし、「ドラゴンボール」ではバトル漫画の王道スタイルを確立した。

特に「ドラゴンボール」におけるスピード感あふれるアクション描写や、独特のメカニックデザイン、キャラクターの造形は、世界中のクリエイターに多大な影響を与えている。日本の漫画・アニメが世界規模のコンテンツとなる道を切り開いた最大の功労者の一人である。
あだち充(みつる)
1951年~

<代表作>
「タッチ」
「みゆき」

<得票数>
47票
(男22、女25)
青春野球漫画とラブコメディを融合させ、独自のジャンルを築き上げた。「タッチ」に代表されるように、スポーツの熱闘と繊細な恋愛模様を同時に描く手腕は卓越している。

言葉で説明しすぎず、背景や「間(ま)」、余白を使って登場人物の心情を表現する詩的な演出が特徴。夏の甲子園や青春の甘酸っぱさを想起させるその作風は、世代を超えて多くの読者の心を掴み、青春漫画の第一人者として君臨し続けている。
井上雄彦
(いのうえ・たけひこ)
1967年~

<代表作>
「SLAM DUNK」
「バガボンド」

<得票数>
42票
(男30、女12)
バスケットボール漫画「SLAM DUNK」で、日本中にバスケブームを巻き起こした。登場人物たちの精神的な成長や、試合中の緊迫した空気感をリアルに描く筆致は、スポーツ漫画の枠を超えたドラマとして評価されている。

近年では「バガボンド」などで、筆を使った墨絵のような描画スタイルを確立。求道者のような姿勢で漫画表現の可能性を追求し続けており、その圧倒的な画力と精神性の高い物語は、芸術の域に達していると評される。
宮崎駿
(みやざき・はやお)
1941年~

<代表作>
「風の谷のナウシカ」
「となりのトトロ」

<得票数>
42票
(男13、女29)
世界的なアニメーション映画監督として知られるが、漫画家としても傑出した才能を持つ。特に漫画版「風の谷のナウシカ」は、映画版では描ききれなかった深遠なテーマ、人間と自然の対立、戦争と平和、そして生命の尊厳について、緻密な書き込みと共に重厚に描かれた大作である。

その思想的・哲学的な深みは多くの読者に衝撃を与え、映像作家としての側面とはまた異なる、宮崎駿の作家としての根幹をなす仕事として高く評価されている。
本宮ひろ志
(もとみや・ひろし)
1947年~

<代表作>
「サラリーマン金太郎」
「俺の空」

<得票数>
40票
(男35、女5)
男の野望、立身出世、そして豪快な生き様を描く劇画の巨匠。エネルギッシュで破天荒な主人公たちが、社会のしがらみを打ち破りながら突き進む姿は、多くの男性読者から熱狂的な支持を集めた。

「サラリーマン金太郎」のように、組織の中で戦う男の姿を描いた作品は、ビジネスマンのバイブルとしても親しまれている。時代が変わっても「男としての強さとは何か」を問いかけ続ける、骨太な作風が特徴である。
青山剛昌
(あおやま・ごうしょう)
1963年~

<代表作>
「名探偵コナン」
「YAIBA」

<得票数>
36票
(男13、女23)
ミステリー漫画の第一人者。「名探偵コナン」は、巧みなトリックとスリルあふれる展開、そして主人公たちのラブコメディ要素が見事に融合し、国民的な長期連載作品となっている。

子供から大人まで楽しめるエンターテインメント性の高さに加え、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマも魅力。謎解きの面白さを漫画というメディアを通じて広く浸透させ、ミステリージャンルの裾野を大きく広げた功績は大きい。
10 ちばてつや
1939年~

<代表作>
「あしたのジョー」
「あした天気になあれ」

<得票数>
34票
(男28、女6)
スポーツ根性漫画に、深い人間ドラマとリアリズムを持ち込んだ巨匠。「あしたのジョー」(原作:高森朝雄)における、主人公・矢吹丈が真っ白に燃え尽きるラストシーンは、漫画史に残る名場面として語り継がれている。

キャラクターの生活感や温かみのある描写も特徴で、貧しさや苦境の中でも懸命に生きる人々の姿を、愛情を持って描き続けてきた。その作品群は、単なる勝負事の描写を超え、人生の哀歓を読者に訴えかける力を持っている。

トップ1011~20位21~30位31~40位41~50位

11~20位

順位 名前 説明
11 松本零士
(まつもと・れいじ)
1938年~2023年

<代表作>
「宇宙戦艦ヤマト」
「銀河鉄道999」

<得票数>
32票
(男26、女6)
壮大な宇宙ロマンと哲学的なテーマを描いたSF漫画の巨匠。SFブームを牽引し、松本アニメと呼ばれる独特の耽美的なキャラクターとメカニックデザインは一世を風靡した。「男のロマン」や「命の有限性」を問いかける作風は、多くの少年の心に深く刻まれている。
12 秋本治
(あきもと・おさむ)
1952年~

<代表作>
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
「Mr.Clice」

<得票数>
26票
(男23、女3)
「こち亀」を40年間にわたり一度も休載することなく連載し続けた鉄人。ギャグ漫画でありながら、その時代の流行、技術、世相を敏感に取り入れ、日本の現代史の資料的価値さえあると言われる。緻密なメカ描写と人情味あふれるストーリーで幅広い世代に愛された。
池田理代子
(いけだ・りよこ)
1947年~

<代表作>
「ベルサイユのばら」
「オルフェウスの窓」

<得票数>
26票
(男0、女26)
少女漫画に歴史ロマンという壮大なジャンルを確立した革命児。「ベルサイユのばら」は社会現象となり、宝塚歌劇団の代表演目としても定着した。性別を超えた人間愛や、歴史の奔流に翻弄される人々の姿をドラマチックに描き、女性の生き方にも大きな影響を与えた。
さくらももこ
1965年~2018年

<代表作>
「ちびまる子ちゃん」
「COJI-COJI」

<得票数>
26票
(男0、女26)
自身の子供時代をモデルにした「ちびまる子ちゃん」で、昭和の日常をコミカルかつノスタルジックに描き、国民的アニメの原作者となった。エッセイストとしても卓越した才能を発揮し、独特のシニカルな視点と温かいユーモアが同居する世界観は、多くの読者に笑いと癒やしを提供した。
15 赤塚不二夫
(あかつか・ふじお)
1935年~2008年

<代表作>
「天才バカボン」
「おそ松くん」

<得票数>
25票
(男17、女8)
「ギャグ漫画の王様」と称され、ナンセンスギャグというジャンルを切り開いた。常識を覆す破壊的なユーモアと、「シェー!」などの流行語を生み出すキャラクター造形力は圧倒的。晩年まで「これでいいのだ」という肯定的な精神で、多くの人々に笑顔を届けた。
さいとう・たかを
1936年~2021年

<代表作>
「ゴルゴ13」
「サバイバル」

<得票数>
25票
(男21、女4)
「劇画」という呼称を定着させ、大人が読む漫画の地位を確立した。プロダクション形式による分業制をいち早く導入し、「ゴルゴ13」は単一漫画シリーズとしての最多巻数でギネス世界記録に認定された。国際情勢を反映した骨太なストーリーは、半世紀以上にわたり読み継がれている。
弘兼憲史
(ひろかね・けんし)
1947年~

<代表作>
「課長 島耕作」
「人間交差点」

<得票数>
25票
(男21、女4)
団塊の世代を代表する作家であり、サラリーマン漫画の金字塔「島耕作」シリーズで知られる。徹底した取材に基づき、日本のビジネス社会のリアルな実情や人間模様を描写。大人の鑑賞に堪えうる情報漫画としての側面も持ち、ビジネスマン層から絶大な支持を得ている。
横山光輝
(よこやま・みつてる)
1934年~2004年

<代表作>
「鉄人28号」
「三国志」

<得票数>
25票
(男50、女5)
巨大ロボット漫画の元祖「鉄人28号」から、魔法少女、忍者もの、そして歴史大作「三国志」まで、多岐にわたるジャンルで傑作を残した天才。「三国志」は、漫画を通じて中国史に触れる入り口として、数多くの読者に読み継がれるバイブルとなっている。
19 水木しげる
(みずき・しげる)
1922年~2015年

<代表作>
「ゲゲゲの鬼太郎」
「悪魔くん」

<得票数>
24票
(男14、女10)
妖怪漫画の第一人者であり、日本に妖怪文化を定着させた功労者。極細のペンで描かれる緻密な背景と、ユーモラスなキャラクターの対比が特徴。過酷な戦争体験に基づく戦記漫画や、独自の幸福論を説いたエッセイ漫画など、その精神性の深さでも尊敬を集めた。
20 大和和紀
(やまと・わき)
1948年~

<代表作>
「あさきゆめみし」
「はいからさんが通る」

<得票数>
23票
(男0、女23)
古典文学「源氏物語」を漫画化した「あさきゆめみし」は、華麗な絵巻物のような美しさで、古典への敷居を下げた名作として教科書的な役割も果たしている。自立した女性の姿を明るく描くラブコメディの名手でもあり、長きにわたり少女漫画界をリードし続けている。

トップ1011~20位21~30位31~40位41~50位

21~30位

順位 作家名 投票数
(男性、女性)
主な作品
21 高橋留美子 22票
(男10、
女12)
うる星やつら、めぞん一刻
22 梶原一騎 21票
(男19、
女2)
巨人の星、愛と誠
23 田河水泡 20票
(男17、
女3)
のらくろ、蛸の八ちゃん
水島新司 20票
(男17、
女3)
ドカベン、あぶさん
25 矢沢あい 19票
(男11、
女8)
ご近所物語、マリンブルーの風に抱かれて
26 美内すずえ 18票
(男0、
女18)
ガラスの仮面
27 石ノ森章太郎 17票
(男11、
女6)
仮面ライダー
植田まさし 17票
(男9、
女8)
コボちゃん
浦沢直樹 17票
(男11、
女6)
YAWARA!
尾田栄一郎 17票
(男8、
女9)
One Piece
神尾葉子 17票
(男0、
女17)
花より男子
森川ジョージ 17票
(男15、
女2)
はじめの一歩

トップ1011~20位21~30位31~40位41~50位

31~40位

順位 作家名 投票数
(男性、女性)
主な作品
33 いがらしゆみこ 16票
(男11、
女5)
キャンディ・キャンディ
34 しげの秀一 15票
(男13、
女2)
頭文字D
35 白土三平 13票
(男11、
女2)
カムイ伝
36 里中満智子 12票
(男0、
女12)
天上の虹
萩尾望都 12票
(男11、
女1)
ポーの一族
38 一条ゆかり 11票
(男0、
女11)
有閑倶楽部
雁屋哲 11票
(男7、
女4)
美味しんぼ
原哲夫 11票
(男9、
女2)
北斗の拳
モンキー・パンチ 11票
(男7、
女4)
ルパン三世

トップ1011~20位21~30位31~40位41~50位

41~50位

順位 作家名 投票数
(男性、女性)
主な作品
42 上田美和 10票
(男0、
女10)
Oh!myダーリン
富樫義博 10票
(男6
女4)
幽☆遊☆白書
古谷実 10票
(男6
女4)
行け!稲中卓球部
やなせたかし 10票
(男0、
女10)
それいけ!アンパンマン
横山隆一 10票
(男5、
女5)
フクちゃん
47 青木雄二 9票
(男8、
女1)
ナニワ金融道
川崎のぼる 9票
(男7、
女2)
巨人の星
深見じゅん 9票
(男0、
女9)
ぽっかぽか
みつはしちかこ 9票
(男1、
女8)
小さな恋のものがたり
やまさき十三 9票
(男6、
女3)
釣りバカ日誌

トップ1011~20位21~30位31~40位41~50位